輸出とインバウンドの好循環が起こる―にし阿波再訪

にし阿波地域での取材

本連載の2017年4月号「桃源郷を訪ねて―田舎の幸福が変わる」では、農林水産省が平成28年度に創設した「食と農の景勝地」について、全国で徳島県「にし阿波地域」(美馬市、三好市、つるぎ町、東みよし町の4市町で構成)を含む5箇所が第1弾として認定され、同地域で開催されたネットワーキング全国大会における視察及びシンポジウムの様子等を紹介しています。(現在「食と農の景勝地」は、「SAVOR JAPAN(農泊 食文化海外発信地域)」のブランド名のもと、主に海外向けに地域資源等を活用したインバウンド(外国人来訪者)や輸出等の促進に資する取組を展開中です。)

先般(12月15日)、「SAVOR JAPAN」推進協議会(詳細は https://savorjp.com/参照)では、認定後2年目における認定地域の状況を定点調査するため、にし阿波地域を訪問し、本制度が重視する「輸出」事例の実情について取材をしました。

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中部経済連合会での「幸福度ランキング」に関する講演

主要経済団体からの依頼

先月(11月13日)、一般社団法人中部経済連合会(長野県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県の5県がカバー地域)の依頼で、「県民幸福度研究~ランキングから見た中部圏の幸福度~」と題して講演を行いました。これは同連合会経済委員会専門委員会の企画として、2017年度の研究テーマ「中部圏5.0の提唱」のとりまとめに際し、外部講師から関連するテーマで講演及びヒアリングを行う目的で開催されたものです。同委員会では、毎年研究テーマを設定し、1月を目途に提言書(案)をとりまとめ、2月に正副会長会・総合政策会議を経て、提言書を上程・公表し、政府をはじめ、関係自治体、会員企業などに広く広報・周知を行っているとのことです。

昨年度は「中部圏のサービス産業の稼ぐ力の向上~生産性を上げる~」、一昨年度は「新中部圏の創生~各地域の自助努力と連携による経済的自立性の向上~」をテーマに提言書をとりまとめています。それまでは「ものづくりと競争力」を主要テーマにした提言が主流を占めていたようですが、ものづくりをベースに置きつつも、最近は新たなテーマ設定に取り組む傾向にあり、本年度は地域社会との関係をより深く考察する観点から、政府が提唱する次世代の社会像である「Society 5.0」を意識したテーマとして中部圏5.0を設定したようです。

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県民幸福度研究のさらなる進化に向けて

福井県との勉強会、静岡県議会での講演、第4弾の出版準備会合

9月1日、福井県庁での幸福度向上に向けた勉強会に弊所の研究員とともに出席しました。当日は、担当部局のふるさと県民局幹部をはじめ庁内部局横断的に関係者30名弱が出席し、中身の濃い勉強会(意見交換)が行われました。

また、9月20日には静岡県議会議員研修会において、「県民幸福度研究 ~幸福度ランキングの政策・施策への活用~」と題して講演を行いました。本年1月の静岡県地方議会議長連絡協議会政策研修会に続く、2度目の講演であり、1月にご出席頂いた当時の県議会議長の意向もあり、今般県議会全議員を対象に講演を行うことになった次第です。

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連合大阪での「幸福度ランキング」に関する講演

労働組合組織からの依頼

先月末(5月29日)、日本労働組合総連合会大阪府連合会(連合大阪)の依頼で「めざすべき地域社会を考える~幸福度ランキングの見方・使い方~」と題して、弊所の研究員と共に講演を行いました。これは連合大阪の政策・制度セミナー「めざすべき地域社会を考える」という企画として、連合のめざすべき社会像である「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、大阪府のおかれている状況(ポジション)を客観的に捉える観点から、弊所の最新刊『全47都道府県幸福度ランキング(2016年版)』(東洋経済新報社)に関心をもたれ、大阪の現状を学び、大阪府域における今後の社会基盤づくりの提言に繋げていくために開催されたものです。当日は、労組役員、関係団体役員、自治体関係者、自治体議員など、150人近くがセミナーに参加し、予定時間を超過するほどの質問も出されました。

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桃源郷を訪ねて―田舎の幸福が変わる

「食と農の景勝地」全国大会の開催

本年3月10日、11日の両日、弊所が事務局を務める「食と農の景勝地」推進協議会(Savor Japan Project Association、詳細はhttp://savorjp.com/参照)の主催による「食と農の景勝地」ネットワーキング全国大会が徳島県「にし阿波地域」(美馬市、三好市、つるぎ町、東みよし町の4市町で構成)で開催されました。農林水産省食料産業局において平成28年度に創設された「食と農の景勝地」については、全国で「にし阿波地域」を含む5箇所が第1弾として認定され、認定地域及び認定を目指す地域等による交流促進を通じた「食と農の景勝地」のレベルアップとネットワークの構築を促進するため、初めての全国大会が同地域で開催された次第です。

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県民幸福度研究に対する自治体・メディアの反応

埼玉県・静岡県、宮崎日日新聞・TBS・北海道テレビの取組と報道

昨年8月、弊所の会長寺島実郎監修、日本総合研究所編、日本ユニシス総合技術研究所システム分析協力『全47都道府県幸福度ランキング(2016年版)』が東洋経済新報社より刊行されました。この本は、『日本でいちばんいい県―都道府県幸福度ランキング(2012年版)』、『全47都道府県幸福度ランキング(2014年版)』に続く3冊目の出版になります。

出版後、昨年末にかけて弊所主催記者発表会、寺島の報道ライブ番組(BS11:寺島実郎の未来先見塾)、出版元の東洋経済新報社の東洋経済オンライン等による情報発信によって、これまで2冊の出版時以上に、地方自治体、経済界、新聞・テレビ等のメディアを含む各方面から多くの問合せと取材の申し込みが寄せられています。このうち、経済界からのアプローチとして日本青年会議所(JCI)幹部メンバーとの意見交換の概要を本コーナー「幸福度研究への手応え」(10月掲載)の中で取り上げました。その後も文藝春秋Webサイトを含め多種多様な媒体で県民幸福度ランキングの結果等が発信・紹介されています。

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35年前の世界旅行―日本へ高まる風圧と期待

スイス航空が1位

新年明けましておめでとうございます。皆様にとって幸せな1年になりますよう祈念いたしますとともに、今年も本コーナーをご厚誼いただきたくよろしくお願い申し上げます。

私は、今から35年前、1982年1月27日から2月24日までの約1か月間、国際的なエコノミストで、上司(恩師)の大来佐武郎会長(内外政策研究会、前月まで鈴木内閣の対外経済担当政府代表、その前が第2次大平内閣の外務大臣を歴任等)のカバン持ち兼アシスタントとして、スイス(ダボス)、オーストリア(ザルツブルク、ウィーン)、イギリス(ロンドン)、アメリカ(マイアミ)、パナマ(パナマシティー)、アメリカ(ニューヨーク、ワシントン)、ブラジル(ブラジリア、サンパウロ)、アルゼンチン(ブエノスアイレス)、ブラジル(リオデジャネイロ)を訪問、大来会長の国際会議出席、政府要人との会談、講演などに同行する大変貴重な体験をしました。

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デンマークはなぜ幸福度が世界一高いか

幸福度研究の出発点

今から数年前、弊所の会長寺島実郎から、世界の幸福度ランキングには様々なものがあるが、その上位に必ずと言ってよいほど入っているのがデンマークである。なぜデンマークは幸福度が高いのか、その本質(真相)を調べることは、シンクタンクのこれからの研究テーマとしても重要な示唆が得られるのではないか、とのことが弊所において幸福度研究を始めるそもそもの出発点であった。以来、1年おきに研究成果を作品化し、本年8月に3冊目となる『全47都道府県幸福度ランキング(2016年版)』が東洋経済新報社より刊行されています。

世界的な調査機関のワールドバリューズサーベイ(WVS)の世界幸福度ランキング(2008年)では、デンマークは1位で、日本は43位。また、イギリスの世界幸福地図(WMH:2006年)では、デンマークはやはり1位で、日本は90位。さらに、国連のWorld Happiness Report 2013でもデンマークは1位で、日本は43位です。そして最新のWorld Happiness Report 2016でもデンマークは1位で、日本は53位です。

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幸福度研究への手応え

多方面からの問合せと取材

本年8月、弊所の会長寺島実郎監修、日本総合研究所編、日本ユニシス総合技術研究所システム分析協力『全47都道府県幸福度ランキング(2016年版)』が東洋経済新報社より刊行されました。この本は、『日本でいちばんいい県―都道府県幸福度ランキング(2012年版)』、『全47都道府県幸福度ランキング(2014年版)』に続く3冊目の出版になります。

8月の出版後、弊所主催記者発表会、寺島の報道ライブ番組(BS11:寺島実郎の未来先見塾)、出版元の東洋経済新報社の東洋経済オンライン等による情報発信によって、これまで2冊の出版時以上に、地方自治体、経済界、新聞・テレビ等のメディアを含む各方面から多くの問合せと取材の申し込みが寄せられています。

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県民幸福度研究第3弾 ―『47都道府県幸福度ランキング(2016年版)』の紹介

幸福度研究のきっかけ

本年8月、弊所の会長寺島実郎監修、日本総合研究所編、日本ユニシス総合技術研究所システム分析協力『47都道府県幸福度ランキング(2016年版)』が東洋経済新報社より刊行されました。この本は、『日本でいちばんいい県―都道府県幸福度ランキング(2012年版)』、『全47都道府県幸福度ランキング(2014年版)』に続く3冊目の出版になります。

弊所が県民幸福度研究をスタートした理由は、日本が成熟した社会になる中で、人間の豊かさとは物やお金なのか。もっと違う部分に、尊い豊かさを感じさせる要素があるのでは、との問題意識がきっかけです。特に、今の若い世代にとっての価値は、必ずしも経済的豊かさや発展ではなく、生活の中身が時代に合った形に変容してきています。こうした変化は必ずしも悪い方向ではなく、大量生産、大量消費から、エネルギーや環境と美しく調和する方向に進んでいると考えられます。

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