道の駅「猪苗代」における可動式コンテナの実装デモ

令和5年度の主要活動―実装デモの実施

弊所(医療・防災産業創生協議会事務局)では、コロナ禍(2020年初春)を契機に人々の安全・安心を守る取組として医療と防災を一体的に捉え、新たな産業領域としての「医療・防災産業」の創生に向けた活動を3年計画のもとに推進中です。

令和5年度には、そのシンボリックな取組として「命のコンテナ(技術の集結)プロジェクト」と銘打ち、可動式の高機能・高付加価値コンテナの実装・普及を行うことで、地方創生及び国土のレジリエンス強化と次世代産業の創生に寄与することを目指しております。

先般(6月2日~4日)、当該活動の第一歩として、猪苗代町、福島県、国土交通省東北地方整備局郡山国道事務所のご厚意(ご支援)の下、全国に先駆け、道の駅「猪苗代」(令和3年6月「防災道の駅」に選定)において、可動式コンテナの実装デモを実施しました。デモは、屋外・屋内を会場に協議会の主要メンバー企業の参画・協力を得て、平常時と災害時のシームレスな利用を想定したコンテナの移動実演等も行い、多くの関係者(行政機関、民間事業者、医療・防災産業創生推進議連の国会議員等)とともに、道の駅への来訪者にも実演等を見学頂くことができ、コンテナの有用性等に係る検証に関して、多数の建設的なご意見等が寄せられ、今後の展開に向けて一定の成果があったと受け止めています。デモの期間中には、地元福島の新聞やテレビでもタイムリーな報道を行って頂きました(スライド1、2ご参照)。

↑ 道の駅「猪苗代」における実装デモ:実施概要(スライド1)
↑ 道の駅「猪苗代」における実装デモに関する報道(スライド2)

道の駅での一般利用者(100人)アンケート調査(概要)と感想(声)

デモの期間のうち、好天に恵まれた6月3日(土)、4日(日)に道の駅「猪苗代」の一般利用者(100人)に、災害時への備えなどを中心に10の設問に対してWebフォームによるアンケート調査にご協力を頂きました。回答例として、避難所での心配事について、「プライバシーが保てないこと」、「トイレ不足」、「お風呂・シャワーに入れないこと」が上位を占め、その他の回答も含め避難所生活のQOL向上の面で高機能・高付加価値コンテナの活用度が大きいと考えています。

災害に備えて水や食料の備蓄状況について伺ったところ、「していない」が35%、「1日~3日程度」が38%で、7割以上が国の推奨する備蓄期間(5日程度以上)を下回っており、自ら(自助)できる家庭備蓄に対する姿勢が乏しい結果となっています。民間調査機関によると、「災害大国」であるにもかかわらず、家庭で災害への備え(備蓄等)をしている人は約4割との調査結果があり、今般のアンケート調査も概ね同様な結果と受け止めています。調査機関では、これを約8割へ引き上げることが迎えたい未来(目標)との提案であり、目標が実現すれば全国で約4,000万世帯へと増大し、ローリング(1年毎)を含めると家庭備蓄に伴う「防災関連市場」は大きな規模になると考えています。

また、アンケート回答者に3種類のコンテナ(クールコンテナ、ジャッキ付き多目的コンテナ、トレーラーハウス)の見学及び説明後に感想等をお聞きしたところ、概ね好意的な内容が見られました(スライド3、4、5ご参照)。

↑ 一般利用者アンケート(避難所・スライド3)
↑ 一般利用者アンケート(備蓄・スライド4)
↑ 一般利用者の感想(スライド5)

議連関係者のコメント

デモの期間中、医療・防災産業創生推進議員連盟から4人の国会議員が来訪し、約2時間の屋外・屋内の案内プログラム(デモ)を熱心に視察され、幅広い観点から貴重なご意見・ご感想を伺うことができました。その一部を事務局でとりまとめましたのでご紹介します(スライドご参照)。

ご多忙な議員に猪苗代町へお越し頂き、前後町長(デモ当時)をはじめ国や県の関係者とご一緒に交流されながら、多くのご示唆を頂きましたことに改めて感謝するとともに、貴重なご助言等を今後の協議会活動に十分活かして行くことに努めたいと考えています。

↑ 議連関係者コメント(スライド6)

結び(医療・防災産業創生協議会総会の開催)

令和5年度(上半期)の主要活動としての道の駅「猪苗代」における可動式コンテナの実装デモを受け、6月26日に総会を開催しました。令和4年度の活動報告、令和5年度の事業計画(案)を事務局よりご説明するとともに、屋内・屋外でのデモを実施された主要メンバー企業(6社)からも所感等を述べて頂きました。

総会では、出席者から多くのご発言・ご意見等を頂き、今後の協議会活動の更なる進展にとって有益な内容だったと受け止めています。

最後に、弊協議会の寺島会長から次のような総括が行われました。

  • 地域特性を活かしたモジュールの多様化が今後重要になって来ると考えている。「命のコンテナ」のクオリティと選択肢をしっかりと高めて行きたい。
  • 「防災」をキーワードとした新しいプラットフォーム作りは、平時からどれだけ準備することができるかということであり、そのための基盤作りが重要であると今日の議論の中で確認できた。
  • 民間の参画ラインナップを一段と深化させて行くというのが今年度の課題だと認識しており、主体性だけでなく、今後は実績も踏まえていく局面に来たと考えている。

事務局(私)から、3年計画の最終年度を迎え、7月以降会長の総括内容等を踏まえ、特に平時(1年のほとんどの期間)における選択肢と基盤作りを実装化させる取組みを引き続き猪苗代を起点に行っていく。次年度以降に向けて、今後の協議会の在り方・方向性に関して、年内を目途に幹事企業・会長等とともに検討を進めていく。進め方の詳細は関係者と円滑に連絡を取りながら、様々な方向性を確認しつつとりまとめを行っていきたい、と延べ閉会となりました。総会の概要は協議会ホームページhttps://www.mdpc.ne.jp/mdpc_r5gmeeting/ をご参照ください。

引き続き多くの皆様に本協議会活動へのご支援等を賜りたくお願い申し上げる次第です。