こんにちは、調査研究本部 社会基盤ソリューション部の松本です。
先週10月17日(金)に、徳島県美馬市の脇町高校にてジェロントロジー※1ワークショップ「人生100年時代のライフ考(こう)~世代間交流で気づく・学ぶ」を行いました。
※1 ジェロントロジー(Gerontology)とは、老人を意味するギリシャ語のgeronと、「学問」を意味する接尾辞-logyがつながった言葉であり、年を取ることによる変化や、高齢社会に必要な仕組みづくりを、心理学、医学、社会学等の幅広い分野から学際的に研究する、欧米では盛んな学問です。日本では「老年学」と翻訳されることが多いですが、弊所ではジェロントロジーを、高齢者が積極的に社会参画して貢献する主体となり、かつ全世代が健康でより活躍できる新たな社会システムの構築を目指す「高齢化社会工学」と捉え直し、活動を行っています。詳細については、弊所内の組織であるジェロントロジー推進機構ホームページをご覧ください。
ワークショップには、脇町高校生が20名、美馬市ジェロントロジーアンバサダー※2が11名ご参加いただきました。弊所主任研究員の林と毛利がファシリテーターとなり、冒頭でジェロントロジーについての説明を行った後、高校生とアンバサダーが混じったグループに分かれて「もしバナゲーム」※3を行いました。
※2 ジェロントロジーアンバサダーとは、ジェロントロジーを身に付け、自分自身が豊かな人生を送るとともに、その知識や知恵をご家族やご友人、ご近所の方など周囲に広げることで地域にジェロントロジーの輪を広げていく口コミ大使です。アンバサダーの活動は、美馬市ホームページで紹介されています。
※3「もしバナゲーム」とは、人生の最後にどうありたいかを考えるカードゲームです。
カードには重病のときや死の間際に「大事なこと」として人がよく口にする言葉が書いてあり、仮に余命があと半年となったら…という設定の下で、自分はどんなことを大切にしたいかということを考えます。
最初はお互いに緊張していた参加者たちも、もしバナゲームを通じて緊張が解けた様子で、多くの話し声や笑い声が聞こえてきました。
最後に「世代を超えたクロストーク」ということで、人生100年時代における「幸福」についてグループ毎で話し合い、最後に発表を行いました。発表の中で、「自分たちとは違う世代の意見が聞けて参考になった」、「今後もこのような機会を継続していただきたい」とのポジティブな意見を多く頂きました。
ワークショップが始まる前にジェロントロジーアンバサダーの方から、美馬市では少子高齢化が進み、高齢者と高校生が接する機会がほとんどないため、うまく接することができるか不安だ、との声が挙がっておりましたが、ワークショップが始まってしまえばあっという間の2時間となりました。
なお、当日の模様は脇町高校ホームページでも紹介されていますので、そちらもご覧頂ければと思います。
次週、10月31日は同市にあります穴吹高校でのワークショップを予定しております。
次のワークショップではどのような化学反応が起こるか楽しみです。